提灯本体製作行程
弊社取扱提灯の特徴として、螺旋状に竹ひごを巻き上げて外形を整える一般的な手法に比べ、竹ひごでたくさんの輪を作り、それを並べてつなぎ合わせるという独自の手法をとるため、丈夫で実用的な仕上がりをみせます。
- 1 「ひごを削る」
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ご注文されました提燈の大きさに適した長さ、幅に裁断した(割った)竹ひごを用意します。その竹の片側の内肉を外皮を残すように薄く削ります。これは、後で竹を輪にしたときに重ね合わせに段差出来ないようにするためです。1つの提燈に使用するひごは平均で100本ぐらい。
種類によっては、200本を超える数を使用します。提燈製作の下準備で最も大事な工程で且つ根気の要る作業です。
- 2 「ひごを巻く」
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【1】で用意した竹ひごの削った部分に和紙を巻き、1本ずつ輪を作ります。これは、後で輪の直径が自由に伸縮できるようにする為です。
- 3 「ひごをためす」
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輪にした竹ひごは1本1本が不揃いな為、数本をまとめて「しごく」ようにして均一な丸みをつけます。この均し作業をしっかりしないと、出来上がった提燈が均一な丸みを持たず、でこぼこした見栄えの悪いものになってしまいます。これもかなりの重労働です。
- 4 「型を組む」
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提燈(提灯)の型(鈴木茂兵衛商店に代々伝わるもの)を組み立てます。 ※型は、提燈の形・長さ・直径などにより異なります。どんなに大きい(小さい)提燈でも必ずこの「型が」必要になります。提灯の種類が増えれば、それだけ型の数も増えていきます。
- 5 「型にひごを掛ける」
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型にかけた竹ひごに、糸を1本ずつ巻き付けるようにして固定します。同時に、型とひごとの緩みを調整しながら提燈(提灯)の形(丸み具合)を整えていきます。 糸をひごにかけることで、提燈の強度を増すことを目的にしています。 これが水府提燈の特徴とされる、掛け糸です。この糸のおかげで、たとえ和紙が多少破れても提燈本体まで崩れることが少なくなります。
- 6 「糸を掛ける」
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型にかけた竹ひごに、糸を1本ずつ巻き付けるようにして固定します。同時に、型とひごとの緩みを調整しながら提燈(提灯)の形(丸み具合)を整えていきます。 糸をひごにかけることで、提燈の強度を増すことを目的にしています。
これが水府提燈の特徴とされる、掛け糸です。この糸のおかげで、たとえ和紙が多少破れても提燈本体まで崩れることが少なくなります。
- 7 「糊をつける」
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【6】で固定した竹ひごと糸に、刷毛で糊をまんべんなくつけます。糊はでんぷん系を使用します。以前は、ご飯粒をすり潰して作った煮糊を使用していましたが現在は化学糊を使用しております。糊は、糊刷毛でひご一本ずつ丹念につけていきます。無色透明なので糊の付け忘れに注意しながら慎重に進めます。
- 8 「紙張り」
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輪にした竹ひごは1本1本が不揃いな為、数本をまとめて「しごく」ようにして均一な丸みをつけます。この均し作業をしっかりしないと、出来上がった提燈が均一な丸みを持たず、でこぼこした見栄えの悪いものになってしまいます。これもかなりの重労働です。
- 9 「型をはずす」
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輪糊が乾いたら、型を提灯から引き抜き(はずし)ます。提灯には必ず、上下に口がありそこから型の羽根と呼ばれる板を抜いていきます。提灯の糊が乾くには、約半日から一日掛かります。 強制的に乾燥させることも出来ますが、糊の持つ本来の接着力が出ないと同時に、荒い提灯に仕上がってしまいます。やはり自然乾燥に限ります。ここでも忍耐です。
- 10 「提灯を畳む」
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型からはずした提燈をひごの間に筋を入れ、折りたたんでいきます。ひごとひごの間を一間ずつ折り込みながら、提燈の出来をチェックしていきます。
この畳み具合も重要で、畳んだ箇所の紙が外に飛び出したり、折り目が雑だったりすると、折角きれいに張りあがった提燈も台無しになってしまいます。最後の重要な作業です。
- 11 「完成」
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畳が終わり、再度検品をしたらご注文頂きました提灯の土台が完成です。形、大きさ様々ありますが、ここまでくるのに長いもので2から3日掛かるものも有ります。当店では、この技法を次の世代に引き継ぐべく、後継者を育てております。